キッズ: 2008年7月アーカイブ


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朝日新聞の土曜の夕刊に、「友近独壇場」という

コラムがあります。

今日の話題は、世界のナベアツ症候群について。

今やテレビで見ない日はない、「世界のナベアツ」の

ネタ、「3の倍数と3のつく数字の時だけアホになる」

「5の倍数の時、犬っぽくなる」が流行っているおかげで、小学校低学年の子供たちが

マネをするため、算数の授業が混乱気味だとか。

友近さんは、この現象を混乱と思わずに、この好奇心を教育現場で利用しなきゃと思う、

と書いています。

たとえば、社会の授業で「信長のしたことは、気短に勇ましく言う」

理科の授業では「塩酸や硫酸の劇薬の特徴は激しく恐ろしく言う」など、

イメージと表現を合わせることで、色んなことを楽しみながらゲーム感覚で覚えることが

できるし、その表現自体を子供たちに授業で発表させたら、表現力も豊かになると

思うんだけどなぁ、ということなのですが...



こういう考え方、とてもいいですね! 大好きです。

実際の教室の先生方はたいへんだと思いますが、なにかを知ったり覚えたりするときに

いろいろなきっかけがあっていいはず。

お笑いのネタをそのまま授業に使うということではなく、こういう考え方を教育に応用

することも、教える側の工夫のひとつだと思います。

正直、最初にこのネタを見たとき、「3の倍数」「5の倍数」の時、間違えずに

スラスラと他のものになれるナベアツさんはすごい!と妙に感心したものです...。






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河合隼雄「物語とふしぎ」(岩波書店)を読んでいます。

あるきっかけで、この本の引用文を読み、心を

つかまれた気がして、本を注文しました。

その一節には、このようなことが書いてありました。

ーーーーー

子供が、せみの鳴き声を聞いて、お母さんに、
せみが何故鳴いているのかをたずねる。

お母さんは、答えを言わずに、「なぜでしょうね」と逆に問いかける。

すると、子供は、「せみはお母さん、お母さんと呼んでいるんだね」と言って、
自分の答えに満足する。

これは、科学的には正しい答えではないかもしれないけれど、
子供が自分なりに見つけた「納得のいく答え」であり、そこには、物語が生まれている。

ーーーーー

人がふしぎに思う気持ち、疑問をもったときに、この現象を説明する方法に、

「自然科学」があります。

近代の人は、この、自然科学によって世界を見ることに心をつくしてきたけれど、

この方法は、ややもすると、人の心の中のことや、人と世界のかかわりを無視する

ことになる、と筆者は述べています。



確かに、自然科学によって人の疑問に答えることは、とても魅力的なことですが、

世の中の現象には、いろいろな側面があり、1+1=2 とばかりはいかないことも

たくさんあります。

人は、何かを理解するとき、気づかぬうちに、客観的な事実と、その人ならではの

イメージや「物語」をまぜあわせているのかもしれません。

子供のうちに、客観的な知識を吸収することも大切だけど、自分のなかで

「物語」を組み立てていくことができるようになることも、同じように大切なこと

なのだと思います。

それが、想像力や創造力につながっていくに違いありません。




おそらく、このことは、以前からもやもやと私自身の中で感じていたことなのですが

そのもやもやを、この本でスパッと「こういうことでしょ?」と、竹を割ったように

見事に指摘された感じがします。このスッキリ感は、そうしょっちゅうあるものでは

ありません。



本の続きを、まだまだ読んでいきます。

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