ジャイロ制作室ブログ

ジャイロの制作の裏側、日常を覗いてみましょう

医療

今年も出しますMedtec!

展示の模型

本年4月20日〜22日に東京ビッグサイトで開催されるMedtec2022に出展します。

http://www.medtecjapan.com

今回は公益社団法人日本インダストリアルデザイン協会(JIDA)のブース内に出すことになりました。

多くのデザイン会社のみなさまといっしょに医療とデザインの領域を盛り上げられたらと思っております。

今年はJIDAの創立70周年記念ということで、特別展示も行われます。こちらも楽しみです!

現在展示の模型を作って検討中。

4月には今よりコロナが落ち着いてたくさんの方に来場いただけるのを願うばかりです。

肺機能(スパイロメトリー)検査を体験してきました!

この度、チェスト株式会社様からのご依頼を受け、肺機能検査中のモニターに表示されるアニメーションと、検査手帳+その付録シールのデザインを弊社で制作させていただきました!
制作物の実装と学会への発表等が完了したとのことで、実機を使った検査体験をして参りました!

今回はその検査体験をして得られた感想やスパイロメーターの使われ方についてなどをご紹介していきます。

肺機能(スパイロメトリー)検査とは

スパイロメトリー検査とは、患者の肺活量もとい肺の状態を調べるための検査です。
肺に空気をどのくらい吸えて、どのくらい吐くことができるか、呼吸の速さと量を測ることで肺や気道の状態が分かります。
この検査は喘息など呼吸器関連の病気が疑われる際や、それらの状態を調べる目的で行われるものです。
一般的に検査名をスパイロメトリー検査、検査に使用する医療機器をスパイロメーターと呼称します。

本プロジェクトの概要

スパイロメトリー検査を受ける患者には小児喘息を発症した子供が多くいます。
正確な検査数値を得るために、一度の検査で何度か激しく息を吐く必要があるこの検査は、患者の身体に多少の負担を要します。治療経過の確認のためにも定期的に検査を受けることが推奨されていますが、負担の印象があるためか、子供たちが検査に億劫になりがちだと現場は悩まされていました。

そんな検査に対するネガティブな印象を改善し、検査を積極的に受けてもらうべく考案した施策が、スパイロメーターへの検査アニメーション導入とキャラクターたちが描かれた検査手帳の配布です。
検査中、自身の呼吸量に応じてアニメーションが動く仕組みと、検査後にキャラクターシールを手帳に貼ることで達成度を視覚化し、検査が楽しいものだと感じられるようにすることが目標とされています。

訪問当日

当日はチェスト株式会社様の本社(東京都文京区)に訪問しました。
一階にはチェスト様が取り扱っている呼吸関連の医療機器が全て並べられています。

何十年も前に作られた有水式のスパイロメーターから最新鋭の検査機器、小型の人工呼吸器など、多くの機器を見学させていただきました。

有水式スパイロメーター

それぞれの機器について、特徴から開発背景まで丁寧にご説明してくださいました。

総合呼吸機能検査装置
検査体験をしてみて

会社案内とプロジェクト概要について改めて説明していただいた後、技師さんの補助のもと実機を使った検査体験をさせていただきました。

向かって奥側:営業本部 臨床検査技師 西貝さん

技師さんの指示に従い、空気が漏れないよう鼻は塞いで、マウスピースを咥えた状態で息を口から一気に吸って一気に吐き出して測定を行います。
測定をする前に年齢と性別・身長から肺活量の基準値を割り出します。
測定結果が基準値を下回ったり、吐くスピードが遅かったり、1秒間に吐く量が少なかったりすると、喘息などの疾患の可能性があるそうです。
ただし大きく下回った場合は機器の装着方法、空気が口の隙間から漏れていないかなどの点が考えられるため測定を繰り返し行う場合があります。

実際にアニメーションを見ながら検査を受けてみると、非常に面白い体験を得られました。
前述したように呼吸に連動してモニターのアニメーションが微動し、吐き出す勢いでアニメーションも進むシステムです。
このアニメーションにキャラクターたちを配置しており、測定中の数値が基準値に到達するとアニメーションの演出を最後まで見られるので、検査というより少しゲームに近い感覚で受けることができました。
最後まで演出を見られた時は検査を見ていた周りも盛り上がり、大きな達成感を得られたと思います。
基準値を下回ってしまったとしても、「次こそは!」という気持ちでいられ、楽しい悔しさを感じられました。
(自分らで作ったアニメーションを肺活量が足りず最後まで見られないというのは悲しかったですが…)

アニメーションが追加されたことで、ゲーム感覚も加わり、検査の印象をポジティブな方向に少し変化させられたのではないでしょうか。
この検査で得た達成感や少しの悔しさは、子供たちに、またこの検査をしようという動機付けになり得ると思います。

そして検査体験を経て、この施策はチェスト様の想いを確かに叶えられるものになっていると実感しました。

制作時の裏話

今回アニメーション制作にあたって、キャラクター以外のオブジェクトやエフェクトはジャイロメンバーが手書きで1から描き起こしたものです。
制作したアニメーションのうち、カーテンがめくれる表現を書き起こす必要があったため、カーテンの物理的動きをしっかりと観察・把握してから制作にあたらなければなりませんでした。そのため数々の資料と睨み合いながら試行錯誤を繰り返しました。
(布のフワッとする感じを再現するため、メンバーの自宅のカーテンが風になびく様子を録画して参考にしたり…納得いくまで数十回描き直した記憶が…)
配布される検査手帳も細部に至るまで熟考して制作しました。

制作物を確認していただいた際、「本企画のねらいをしっかりと理解したデザインをしてくれている」と評して頂けて大変嬉しかったです!
難しい仕事でありながらも、それを見て喜ぶ子供たちを想像しながら制作している時間は、とても有難いものでした。

さいごに

チェスト様から機器の説明などをお聞きしていると、今回のプロジェクトや小児用人工呼吸器のコンセプトなど、チェスト様は自社の製品を使用する人に、どのような体験をしてほしいかに、とても重きを置いておられました。製品を少しでもユーザの日常に溶け込ませ、愛着を抱かすための工夫をできる限りしている姿勢が感じられます。
ただ検査をする、ということだけでも患者の心には不快感を与えることも有り得て、治療のためにも続ける必要があるならば、それを促すためには開発構想段階でUXデザインを織り込んで臨まなければならないのだと改めて考えさせられました。
医療機器を日常的に使用する状況というのは、その時点でネガティブな感覚になりそうですが、だからこそ、そこに関わる人々の体験を少しでも豊かにするためにデザインというのは非常に重要なのだと思えます。

この度は貴重なお仕事と体験の両方をさせていただいたこと、この場にて改めて御礼申し上げます。
弊社一同非常に有意義な時間を過ごすことが叶いました。
是非今後とも、チェスト様と共にお仕事していきたく存じます。

実機のアニメーションや検査手帳は続々と全国に実装・配布されているため、
皆様のお目に入った際は是非とも楽しんでいただきたいです!

Dialogue by Designship登壇レポート

10月6日に、「Dialogue by Designship with GOOD DESIGN AWARD」でお話をさせていただきました。
以下に簡単なレポートを記します。

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パネルディスカッションは、前日に3つのテーマが提示されたのみで、事前の筋書きはなかったので、本当にぶっつけ本番でした。どんな展開になるのかわからないので、前の晩から伝えたい内容を片っ端からメモしていきました。

19時からの配信開始にあわせ、会場に18時集合でした。当日は授業を2コマ担当した後、余裕を持って早めに六本木に行き、授業から頭を切り替えて集中するためにカフェでメモを書き続けました。
10月に入ってから暑い日も寒い日もあり、服装も直前まで決められず、全てが予測不能な状態でした。

会場は六本木ミッドタウンのデザインHUB。展示や打ち合わせで何度も行ったことがある場所なので、事前に会場のイメージはできていました。
18時少し前に会場に行くと、既にカメラやPCなどの撮影機材が設置され、ディレクターやカメラマンなどたくさんの人が揃っていました。登壇者とモデレータが集合したところでリハーサル開始。その後簡単なすり合わせをしていると、もう本番10分前。
お茶を足元に置いてもいいか、と聞くと、ラベルをはずすようにとの指示。今回スポンサーはついていませんが、徹底しています。

収録が始まると、各自のプレゼン以外は全てアドリブで話が進行します。予想外のフリが来ても、何とか話をつなげなければならず、とにかく必死でカンペのメモをチラ見しながら話します。
そのとき、カメラマンの方達が、しきりに頷いてくれるのがとてもありがたかったです。テレビなどのトーク番組もそうなのかな?自分の話を聞いて、頷いてくれる人がいると、自己肯定感が生まれ、かなり不安要素が消えて話しやすくなるものなんですね。
プロの仕事だと感動しました。

4人の登壇者が順番に話をしていくと、意外に時間がなく、時計を見ると、なんともう終了5分前。全然言うべきことが言えてないように思い、頭がぐるぐるして、最後の一言を必死で探します。
あっという間に1時間半が過ぎ、終わったあと、みんなどっと倒れ込むように力を抜いていました。ほんとにお疲れ様〜。
登壇者同士は、対面で会うのが初めてだったので、名刺交換をしようとしたところ、コロナ禍で久しぶりに社外の人に会うという人が多く、名刺というものの存在を忘れて持ってこない人が続出していたのが可笑しかったです。

帰りの電車のなかで、会社のチャットを見ると、みんなで鑑賞会をやりながら、twitterやYouTubeにたくさん発信してくれていました。
また、知人からもたくさんコメントや書き込みがありました。
お知らせしたいろいろな会社や大学、病院関係のみなさまからも、申し込みの連絡を多数いただき、終了後に感想を送ってくださった方もありました。みなさまありがとうございました。この場を借りてお礼申し上げます。

あとから「もっとこう言えばよかった」「この話も入れればよかった」などなど、反省点がフツフツと湧いてきますが、素晴らしい登壇者の皆様との繋がりができたこと、一緒に話題を共有できたこと、言葉に尽くせない貴重な経験になりました。

ここからは、メモを準備しながら、当日は時間の関係などでお伝えできなかったことを記しておきます。twitterでも少しずつつぶやいたりしていますが、また機会があればお話ししたいと思います。

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●医療系プロダクト独特の課題について

・デザインプロセスそのものは、医療機器でも、そうでないものであっても、大きくは変わらない。
ユーザーについてしっかりリサーチし、どういう人がどういう場面で使うのかを考え、どう伝わればわかりやすいかを考えるのが全てのデザインの基本だと思う。
しかし、医療機器ならではの、独特なポイントもある。それは以下のようなものである。

1)医療機器と一括りで言っても、対象分野が多く、診療科ごとに治療法も機器の仕様も異なるため、デザインする際に一から勉強しなければならないことが多い。
2)医師、臨床工学技士、看護師など医療機器を使うペルソナがさまざまなので、誰がどういうシチュエーションで実際に操作するのかを理解する必要がある。それには現場観察やペルソナごとのユーザーテストが欠かせない。
3)専用端末が使われることが多いので、技術的な要件に則ったデザインをする必要がある。また設計部門とのやりとりが多く、遷移や仕様をきちんと理解したうえでの対話が必要となる。(これはBtoBなら他の分野でも当てはまると思われる)

●医師と患者との関わりについて

・弊社の通常の業務ではBtoB製品が多いため、メーカーさんとのやりとりが多いけれど、現場の医療従事者とのつながりも大切で、そろそろきちんとバックアップ体制を作りたいと思っている。デザインデータを納品すると業務が終わりになってしまうが、できるだけその後のヒアリングやアフターフォロー体制をつくり、追跡調査を行いたい。

・自分や家族が患者として病院に行くときは、病気の疑いがあるか、治療をする などの状況で、不安や恐怖感などのネガティブな感情であることが多い。衛生的な観点から、無機質なつくりをしている病院が多いことは理解できるけれど、少しでも患者や家族に安心感を与え、穏やかな気持ちになれるように変われる部分はまだまだあるはず。そのために、デザイナーができることはたくさんあると思う。

●今後の展望、解決すべきこと

・医療従事者は機械に慣れようとしてくれる。IVRや内視鏡などの治療は、患者にとって負担が少ないかもしれない。だけど、機械の操作に慣れるため、多くの時間をかけなければならないとしたら、医療従事者の負担が増えてしまう。そのバランスが難しい。

・医療機器に限らず、「使いやすいアプリ」「使いやすいソフトウェア」を設計することはとても大切だけど、さらにそれを「使いやすそうに見せる」ことも大事。実際に使ってみなくても、一目見て「使いやすそうだな」「使ってみたいな」と思ってもらえるようにするのは、デザイナーの役割だと思う。
そのために、デザイナーは表現力を磨かなければならない。

「Dialogue by Designship with GOOD DESIGN AWARD」に登壇のお知らせ。

10月6日(水)に開催される、一般社団法人デザインシップ主催の
Dialogue by Designship with GOOD DESIGN AWARD #03
「医療とデザイン ―患者と医療従事者の課題と、新しい医療体験の発明」に、
弊社取締役の安原七重が登壇いたします。

当日は「患者と医療従事者の課題」と、「新しい医療体験の発明」について
他の登壇者の方々と意見を交えてお話しさせていただく予定です。

なお、参加費無料のオンライン番組となっておりますので、ご興味がある方はPeatixの申し込みフォームよりお気軽にお申し込みください。

日  時:2021年10月6日(水)19:00〜20:30
主  催:一般社団法人デザインシップ
開催方法:オンライン配信
参 加 費:無料

詳細はこちらから:https://dialogue.design-ship.jp
参加の申し込みはこちらから:https://dialogue-003.peatix.com/view

出典:https://dialogue.design-ship.jp/?fbclid=IwAR1dsJ3Nuh6RSl0KHUwtlL6mB1p5Gq1a8kXmKj94fxCTucdlMLERnpyFxgI

シンポジウムを終えて

9月4日に開催されたシンポジウム「医療機器ビジネス新規参入とビジネスモデルチェンジの秘訣」が無事に終わりました。

医療系のシンポジウムに登壇するのは初めてだったので、試行錯誤しながら準備を進めました。
今までにデザイン系の授業などで使用していた資料をベースにして、医療関係の方々にきちんと伝わるのか?期待値からずれたプレゼンテーションにならないか?・・・わからないことも多く、運営側の皆様に事前に内容を確認していただき、調整をしていきました。

「医療機器開発におけるUXデザイン」というタイトルでお話をするにあたり、最初は複数の事例を紹介することで全体像が伝わるような構成を考えていました。しかし30分という限られた講演時間で伝えるには、一つの事例を深掘りしたほうがよいということがわかり、2016年から2年にわたって取り組んだAMED(国立研究開発法人日本医療研究開発機構)のプロジェクト「OpeLink」のデザインプロセスを詳しく紹介する形に切り替えました。

「OpeLink」の仕事は2年にわたる長期のプロジェクトだったため、資料も膨大で、その中から必要な要素を抽出してまとめ直すことに非常に時間がかかりましたが、あらためて当時の状況を振り返り、整理する良い機会ともなりました。

講演の後は、午後の部のパネルディスカッション「UXデザインをどう進めるか?」にも参加しました。
モデレータはスタンフォード大学の池野先生です。事前の打ち合わせがなかったため、まさにぶっつけ本番で、どんな流れになるか予想がつきませんでしたが、池野先生の素晴らしい采配のおかげで、とても有意義なディスカッションとなりました。また、パネリストの皆様の見識の高さを肌で感じることができたことは大きな収穫でした。

シンポジウム後、いろいろな方からメッセージをいただきました。
講演のなかで医療機器のデザインにおける課題などにも触れたところ、アドバイスや提案をくださる方もいらっしゃいました。また、新たなご縁や繋がりもでき、本当にありがたい限りです。

今回、貴重な機会をいただいたことに感謝し、デザインと医療の関係をさらに深めるべく、これからも積極的に活動していきたいと思います。

モダンホスピタルショウ2021に行ってきました。

今年のモダンホスピタルショウはオンライン開催と現地開催の両方で
行われたのですが、現地開催の方に行ってきました。
https://noma-hs.jp/hs/2021/

緊急事態宣言中ということもあり、来場者自体は多くはなかったのですが、
混み合っていない分1つ1つのブースをじっくり見ることができました。

展示の方は、
コロナ禍という状況に対応した、非接触ディスプレイの機器であったり、
衛生状況の一元管理ツールといったこの状況に即した製品も見受けられました。

セミナーの方はiPhoneやタブレット、SNSなどのツールを利用したコロナ禍での
コミュニケーションや情報共有の方法といった効率化とコロナ禍での工夫を
テーマにしたものがいくつかありました。

その中で参加したセミナーは、
コロナ禍でなかなか家族にも会えない、気をつけることもいつもより多く
気が抜けない中でいかにして医療従事者や患者が快くすごせるようにするか、
コロナ禍での癒しのデザインをテーマとしたものです。

・小児患者の院内教育
・小児患者向けのファシリティドッグ
・病院建築、患者・医療従事者の過ごす環境

という3つの観点から癒しをテーマにしたセミナーでした。

病気の時はただでさえ気落ちしやすい心境の上に、家族にもなかなか会えないため、
治療に向かうエネルギーがたまりにくい状況です。

GYROは教育コンテンツや医療機器のデザインをしていることもあり、
病院での教育や病院の建築・環境といったことにも興味があったのですが、
詳しく実態を知る機会がなかなかない分野でもあったので、非常に興味深かったです。

ファシリティドッグについてはセラピードッグと異なり、常勤で通う犬になるのですが、
そういった存在についても初めて知り、詳しいお話を聞くことができました。

時節的にコロナ禍を意識した展示内容が多かったこともありますが、いろいろと
新しい発見のある展示会、セミナーでした。

これからの領域

6月号のAXISの特集「XRが生む新たな体験」の記事がどれも興味深いものでした。

AXIS表紙

XRとは、VR,AR,MRなどの総称のことであり、個々の技術の組み合わせが発生すると境界線が引きにくくなり、生まれた言葉です。

記事の中で、ジャイロが注目する、3つの内容とその関連サイトについて紹介します。

●SXSW online 2021
SXSWとはSouth by Southwestの略で、毎年3月にアメリカ合衆国テキサス州オースティンで行なわれる、音楽祭・映画祭・インタラクティブフェスティバルなどを組み合わせたイベントで、2021年はコロナ禍のため、完全オンラインで開催されました。
例年の会場であるオースティンの街やシアター、パーティ会場などをバーチャル空間として再現し、参加者が現地に行って踊ったり会話をしたり、と、SXSWの世界観に挑戦した事例として取り上げられています。

以下はVRジャーナリストの体験談です。(AXIS記事とは関連なし)
https://www.pronews.jp/special/202103231747190760.html

●シナスタジアX1 – 2.44 波象(Hazo)
シナスタジアラボが開発する、共感覚体験装置で、44の振動子を組み込んだ装置に身を委ね、音と振動、光が全身を包み込む体験ができるというものです。
https://synesthesialab.com
平たく言えば、マッサージチェアにスピーカーとライティングを組み合わせたもの、というような装置で、まだ研究段階ではあるものの、VRのような視覚+テクノロジーではなく、触覚+聴覚+視覚+テクノロジーのあり方を考える興味深い試みだと思います。

●医療分野へのXR技術の応用
AXISに掲載されているのは、スタンフォード大学のバーチャル・ヒューマン・インタラクションラボの研究グループのインタビュー記事。現在アメリカでは、この分野のスタートアップが何百社もあり、大企業も進出している拡大分野とのことです。
医療のXR利用の主な分野としては、次のようなものが挙がっています。
・健康やウェルネス目的のもの(慢性の痛みや不安、運動不足や喫煙などへの対応)
・医学生に対するトレーニング(手術や解剖などのシミュレーション、患者に対するコミュニケーション)
・診断(メンタルヘルス、認知症診断、脳疾患患者のリハビリなど)

また、スタンフォード大学にはチャリオット・プログラムという大学附属小児病院で応用できるテクノロジー開発やさまざまな研究が行われています。
http://chariot.stanford.edu

プログラム支援企業の事例(AXIS記事とは関連なし)
https://www.moguravr.com/magic-leap-health/

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