ジャイロ制作室ブログ

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日本臨床工学会に登壇しました

7月21日から23日まで広島国際会議場で開催された「日本臨床工学会」のセッションに登壇し、お話をしてきました。

https://www.kwcs.jp/jace33/

広島国際会議場は、平和記念公園の一画にあり、会議場をはさんだ公園の向こうには原爆ドームがあります。5月のG7サミットで、各国の首脳が記念撮影した場所にはテントが設置され、8月6日の平和記念式典の準備が進められていました。猛暑の中、汗をぬぐいながら外国人観光客で賑わう公園を横切り、少し緊張しながら初めての学会に向かいました。

「日本臨床工学会」とは、臨床工学技士の学会です。臨床工学技士とは国家資格で、医療機器の専門職です。病院や診療所で医療機器を安全に使えるように管理をしたり操作をする業務を担う職業なので、医療機器に最も近い医療スタッフといえるかもしれません。

ジャイロでも、医療機器のデザインをする際には、臨床工学技士のアドバイザーに助言をお願いしています。

最近は、医師や臨床工学技士などの医療従事者が、機器開発に携わったり、起業することも増えてきました。医工連携推進事業として、さまざまなプロジェクトが立ち上がっています。

しかし、新規開発をスタートする時、プロジェクトの上流段階で「デザイン」という言葉が出てくることは滅多にありません。人間中心の視点であったり、使いやすさの追求という点については、プロジェクト推進者の意識の外にあることがまだまだ多いようです。

このことに問題意識を持つ学会運営サイドの方からオファーがあり、今回初めて、医療機器開発とデザインの関わりについてお話しする機会をいただきました。

私が参加したセッションでは、以下の3名がそれぞれの立場から事例などを通じた発表を行いました。

1)ヒューマンファクターズについて:臨床工学技士 小山さん 

2)医療機器のプロダクトデザインについて:サカキメディカルデザイン 榊原さん

3)医療機器のUI/UXデザインについて:ジャイロ 安原

各自持ち時間が15分という短い時間のなかで、内容を削ぎ落として伝えなければならず、事前に関係者で何度も打ち合わせをし、言葉の定義を確認しあうなどして発表内容を絞り込んでいきました。この準備のプロセスも非常に良い勉強になり、貴重な体験になりました。

発表を終えて、「臨床工学会でデザインの話ができたのは大きな一歩」「デザインの重要性について認識が浸透したのでは」などという声がたくさん聞かれました。

異分野からの登壇ということで、手探りの中での発表となりましたが、このような積み重ねが大きなムーブメントとなることを期待したいです。

医・工・デザイン連携が良い形で実を結んでいくことを願いつつ、これからも活動を続けて行きたいと思います。

日本臨床工学会に登壇しました
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