ジャイロ制作室ブログ

ジャイロの制作の裏側、日常を覗いてみましょう

デザイン

EDIXに行ってきました

東京ビッグサイトで開催されているEDIXに行ってきました。教育系としては毎年行われている規模の大きい展示会です。

いよいよ手元にメタバース

近年XRやメタバースが盛り上がってきていることもあり、そうしたコンテンツの展示も出ていました。感触で言うと、去年まではまだまだ実験的な提案までの印象が強かったVRやAR、メタバースがこの春になっていよいよ大手教育系サービスやコンテンツとしても始まり実際に子供たちの手元まで届く状態になってきた印象です。

セミナーはモチベーションに関するものを受けました。モチベーションを上げるためにはどうしたらいいのか、まさにUXの部分が重要になってくる分野でとても興味深かったです。

気になる裸眼VRモニター体験

展示の方では、裸眼VRモニタも展示されていました。センサーがついていて、手を動かすとコンテンツの中のものを動かしたりできるようです。写真を撮ってもこのVRの見え方は写らないようなので言葉で伝えるしかないのですが、人の目を追尾してピントを合わせるので近づいていってピントが合った瞬間、画面の中のものがぐわっと浮き出てくるので結構なインパクトがあります。

基本的に一人用(複数の目があるとどちらにピントを合わせるか判断できないため)とのことですが、ゴーグルをつける煩わしさがないのは気楽ですね。

医療での手術の学習に使われることもあるとのことですがいろいろ活用できそうですし非接触というのは要望として高そうです。

他にもメタバース教室システムだったり、インクルーシブに着目した教育ソフトといったものも展示されていました。

今の教育のトレンドを知れる機会ですので気になる方はぜひ。5/12までです。

3Dアニメ サンプル映像「宇宙から見た さそり座」

3DCG・映像制作を得意とするスタッフが入ったので、制作物の幅が広がった事をアピールするサンプル映像を作成しました。

3D映像の特徴が活きる見せ方を色々考えるうち、
「1つのものを複数の角度から見せられる」という強みを活かして「星座を横から見る」という案が挙がりました。

大まかなメイキングをご紹介!

1.ラフ案(手書き):
最初は仮に「北斗七星」をモチーフにしていました。

2.詳細コンテ:
その後具体的に色んな資料を調べて、さそり座が見せやすそうだという事に。
3D素材試作と詳細コンテ調整を行きつ戻りつ、細かい見せ方を詰めていきます。

3.映像制作:
ビジュアル素材や音声素材を揃え、映像を作成、社内確認でブラッシュアップして完成!

制作スタッフ達自身、この解説動画内容の詳細はこの企画のために調べて初めて知ったので
「こんなに奥行きがあるんだ~」と面白かったです。

完成したサンプル映像「宇宙から見た さそり座」はこちらのリストから視聴できます!

このような解説アニメ動画の作成など、お気軽にご相談ください。

あそんでくれてありがとう

今年になって、友人から連絡がありました。

弊社が制作・販売していたアプリ「ピクニーニョ」をお子さんがとても気に入りたくさん遊んでくれたそうです。制作した会社に私がいることを偶然知り、連絡をくれたのでした。

ピクニーニョは小さい子ども向けのお絵かき+絵本アプリで、サービス自体はすでに終了してしまったのですが、お子さんが大きくなった今、久々に立ち上げたら動かない…と悲しそうにしているとの話。

ユーザー、小さいお子さんだと尚更、生の声を聞く機会もなかなかないため、そんなに気に入ってくれたという声が届いたことがとても嬉しい出来事でした。

コンテンツやUI・UX自体もテストを重ねて試行錯誤し、イラストにも力を入れていたので、制作側としてもとても思い入れのあるアプリです。

お礼にスマホの壁紙を制作してみました。とても喜んでもらえたそうです。

「見えないものをカタチにする」ワークショップ 

day5:「触覚4コママンガ」

UI/UXデザインを専門とするジャイロのメンバーは、毎日PCと向き合い、たくさんの制限事項やツールの縛りの中で仕事をしています。

でも、ものづくりをする時には、柔軟な発想や独自の視点を持つことも大切です。

それで、メンバーが気軽に楽しめる社内ワークショップを月に一度開催しています。さまざまなテーマに取り組み、今回で5回目になりました。

「day5 」のテーマは「触覚」。いろいろな素材を使って「触覚4コママンガ」を作りました。

情報量を減らすため、素材はあえてできるだけ色のついていないものに絞っています。

上下に話が流れるもの、左右に話が流れるもの、触って4コマのストーリーを追っていきます。

「我が家の猫」「認知症のママ」「クリエイティブ」「森の散歩」「しかくいひょうたん」「水の牢獄」と、テーマもライトなものからディープなものまでさまざま。短い時間で多様な作品ができあがりました。

みんなの作品はnoteのページに掲載しています。(過去のワークショップも遡って見られます)

https://note.com/gyro_uiuxdesign/n/n1ad845771e78

カレーパーティー

最近すっかり暑くなってきましたが、

そんな時、なぜだか無性に食べたくなるのがカレーですよね。

ということで、GYROでカレーパーティーが開催されました!

今回のカレーパーティーでは、無印良品さんのレトルトカレーシリーズの中から

各メンバーが気になるカレーをチョイスして、食べ比べをしました。

無印良品さんのカレー👉https://www.muji.com/jp/ja/store/cmdty/section/T30009?web_store=hmenu_D00006

60近くあるカレーシリーズの中からGYROメンバーが厳選した7つのカレーは…

・素材を生かしたカレー マサレマ

・素材を生かしたジビエのカレー 鹿肉とマッシュルームのカレー

・素材を生かしたカレー マトンドピアザ

・素材を生かしたカレー トマトのキーマ

・素材を生かしたカレー バターチキン

・レトルトバターチキンカレー(復刻版)

・素材を生かした 辛くない スパイシーチキンカレー

お馴染みの味から、名前を聞いたことのないものまで、よりどりみどりです。

みんなで手分けをして準備をするのですが、ここでは普段のお仕事でのチームワークを活かします。

司令塔、キッチン担当、温め大臣、デリバリースタッフなど各々が持ち場について素早く済ませていきます!

(食べもののこととなると動きが俊敏になるような気が…きっと気のせい…)

新人にとっては、こういったイベントも学びの場になります。この機会に、たくさんのことを吸収します!

お皿にカレーの名前をラベリング

あっという間に準備が終わると、テーブルの上に並べられたカレーたちが放つスパイスの香りが食欲をそそります。

こんなにたくさんのカレーの食べ比べは、複数人での食事だからこそできる楽しみ方ですね。

彩り野菜にジャスミン米とナン、それからマンゴーラッシーをカレーのお供にいただきました!

どれもとても美味しかったのですが、食べ比べの結果、私のベストオブカレーはマサレマでした!

GYROメンバー内でも、「美味しかった!」という感想が多かったカレーです。

マサレマは、マレーシアの煮込み料理だそうです。

食べたことも聞いたこともないカレーだったのですが、辛いのにさっぱりとしていて、

ココナッツクリームのまろやかさが嬉しい…!食べたことのない味に感動しました。

このカレーパーティーの後にお家で買って食べたくらい気に入ってしまいました。

今回のカレーに続き、次回はどんなものを食べ比べてみるのか、次の〇〇パーティーが今から楽しみです!

おもちゃショー2022に行ってきました

昨年はコロナ禍ということで開催されなかったので、ようやくの開催ということで報道陣なども会場で多く見かけました。

今年のおもちゃショーにて気になった点や注目点について記載していきたいと思います。

●VR・AR・AIやセンサーの使用

教育系の展示会ではVR・ARの利用がいよいよ実用的なコンテンツに落とし込まれてきたという記載をしましたが、おもちゃの世界でもこういった新しい技術が実用的だったり、面白い使われ方をされています。

・VR・AR:VR + AR + アナログの工作を組み合わせたワークブック(理科の実験・宇宙・自然科学など)

・AI:親の声を登録するとAIがお話読み上げてくれる

・センサー:身につけるアクショントイ。バッグ型のペットがロボットのようにセンサーに反応して様々なアクションをとってくれる。ファッションとアクショントイを合わせたもの。

●タブレット+アナログ

デジタルとアナログの融合をうまく活かしたものも多くありました。

・紙に描いた絵をセンサーで瞬時にタブレットに取り込んでくれるお絵描きやプログラミングブロックと連動するアプリ・アナログとデジタルの融合

・折った折り紙をタブレットに読み込める。ARを使用してカメラ内に折った折り紙が動いてくれるアプリ。

・センサーのついたボールをタブレット上で転がし、アプリを操作する。ボールでお絵描きやコントローラー的に画面変化などできるアプリ。

●STEAM教育

ロジカルシンキングや、なぞとき系のおもちゃも、さらに楽しさや考えさせるという要素が強くなったものが多くありました。

・ロジカルシンキングを促すパズル

・科学を使ったパズル

・脱出なぞとき系

●今らしさ

コロナ禍を経て、今らしさを感じさせるおもちゃもたくさんでていました。

・セルフレジ

・デリバリーごっこ

・キャンプごっこ

・スマートウォッチ型トイ

・マスクデコシール

●SDGs

教育系展示会でも非常にこの傾向が見られたのですが、おもちゃショーでも、SDGsを意識したおもちゃや、企業の活動として行っていることをアピールしている展示もありました。

・廃棄米の樹脂のブロック

・緊急時の子どもキット

●おもちゃの色について

近年の幼児向けのアニメーションやランドセルで好まれる色などでも顕著なのですが、可愛らしさをテーマに置いたおもちゃについては、より淡いパステルカラーや、ライラック(紫とピンクの中間くらいの色)の色が多く見られました。

会場で受賞をしていたおもちゃについて色をピックアップしてみました。

「かわいらしさ」をアピールするおもちゃについては、アメリカなどの絵本やおもちゃで好まれてきたようなライラックや、アクアグリーン(青寄りのパステルグリーン)、淡いピンクなどが流行であることが伺われます。

比較として、「かっこよさ」をテーマにしたおもちゃは、ビビッドな赤や青、締め色の黒、などが多く、メリハリのあるトーンになっています。

ここ3~4年で「かわいらしさ」の淡いトーンの流行がやってきた印象なのですが、

会場で、プリキュアの歴代のポスターが展示されていて、色の流行が現れていてとても興味深いです。

代表として2004年、2012年、2021年のそれぞれの色をピックアップしてみました。

色の変遷はどうでしょうか。現実的な色味からスタートし、キャラクターを表すカラフルな色になり、淡く柔らかいトーンに変化していっているのが感じられるかと思います。

色という視点から見てもとても興味深いおもちゃショー2022でした。

今年も出しますMedtec!

展示の模型

本年4月20日〜22日に東京ビッグサイトで開催されるMedtec2022に出展します。

http://www.medtecjapan.com

今回は公益社団法人日本インダストリアルデザイン協会(JIDA)のブース内に出すことになりました。

多くのデザイン会社のみなさまといっしょに医療とデザインの領域を盛り上げられたらと思っております。

今年はJIDAの創立70周年記念ということで、特別展示も行われます。こちらも楽しみです!

現在展示の模型を作って検討中。

4月には今よりコロナが落ち着いてたくさんの方に来場いただけるのを願うばかりです。

肺機能(スパイロメトリー)検査を体験してきました!

この度、チェスト株式会社様からのご依頼を受け、肺機能検査中のモニターに表示されるアニメーションと、検査手帳+その付録シールのデザインを弊社で制作させていただきました!
制作物の実装と学会への発表等が完了したとのことで、実機を使った検査体験をして参りました!

今回はその検査体験をして得られた感想やスパイロメーターの使われ方についてなどをご紹介していきます。

肺機能(スパイロメトリー)検査とは

スパイロメトリー検査とは、患者の肺活量もとい肺の状態を調べるための検査です。
肺に空気をどのくらい吸えて、どのくらい吐くことができるか、呼吸の速さと量を測ることで肺や気道の状態が分かります。
この検査は喘息など呼吸器関連の病気が疑われる際や、それらの状態を調べる目的で行われるものです。
一般的に検査名をスパイロメトリー検査、検査に使用する医療機器をスパイロメーターと呼称します。

本プロジェクトの概要

スパイロメトリー検査を受ける患者には小児喘息を発症した子供が多くいます。
正確な検査数値を得るために、一度の検査で何度か激しく息を吐く必要があるこの検査は、患者の身体に多少の負担を要します。治療経過の確認のためにも定期的に検査を受けることが推奨されていますが、負担の印象があるためか、子供たちが検査に億劫になりがちだと現場は悩まされていました。

そんな検査に対するネガティブな印象を改善し、検査を積極的に受けてもらうべく考案した施策が、スパイロメーターへの検査アニメーション導入とキャラクターたちが描かれた検査手帳の配布です。
検査中、自身の呼吸量に応じてアニメーションが動く仕組みと、検査後にキャラクターシールを手帳に貼ることで達成度を視覚化し、検査が楽しいものだと感じられるようにすることが目標とされています。

訪問当日

当日はチェスト株式会社様の本社(東京都文京区)に訪問しました。
一階にはチェスト様が取り扱っている呼吸関連の医療機器が全て並べられています。

何十年も前に作られた有水式のスパイロメーターから最新鋭の検査機器、小型の人工呼吸器など、多くの機器を見学させていただきました。

有水式スパイロメーター

それぞれの機器について、特徴から開発背景まで丁寧にご説明してくださいました。

総合呼吸機能検査装置
検査体験をしてみて

会社案内とプロジェクト概要について改めて説明していただいた後、技師さんの補助のもと実機を使った検査体験をさせていただきました。

向かって奥側:営業本部 臨床検査技師 西貝さん

技師さんの指示に従い、空気が漏れないよう鼻は塞いで、マウスピースを咥えた状態で息を口から一気に吸って一気に吐き出して測定を行います。
測定をする前に年齢と性別・身長から肺活量の基準値を割り出します。
測定結果が基準値を下回ったり、吐くスピードが遅かったり、1秒間に吐く量が少なかったりすると、喘息などの疾患の可能性があるそうです。
ただし大きく下回った場合は機器の装着方法、空気が口の隙間から漏れていないかなどの点が考えられるため測定を繰り返し行う場合があります。

実際にアニメーションを見ながら検査を受けてみると、非常に面白い体験を得られました。
前述したように呼吸に連動してモニターのアニメーションが微動し、吐き出す勢いでアニメーションも進むシステムです。
このアニメーションにキャラクターたちを配置しており、測定中の数値が基準値に到達するとアニメーションの演出を最後まで見られるので、検査というより少しゲームに近い感覚で受けることができました。
最後まで演出を見られた時は検査を見ていた周りも盛り上がり、大きな達成感を得られたと思います。
基準値を下回ってしまったとしても、「次こそは!」という気持ちでいられ、楽しい悔しさを感じられました。
(自分らで作ったアニメーションを肺活量が足りず最後まで見られないというのは悲しかったですが…)

アニメーションが追加されたことで、ゲーム感覚も加わり、検査の印象をポジティブな方向に少し変化させられたのではないでしょうか。
この検査で得た達成感や少しの悔しさは、子供たちに、またこの検査をしようという動機付けになり得ると思います。

そして検査体験を経て、この施策はチェスト様の想いを確かに叶えられるものになっていると実感しました。

制作時の裏話

今回アニメーション制作にあたって、キャラクター以外のオブジェクトやエフェクトはジャイロメンバーが手書きで1から描き起こしたものです。
制作したアニメーションのうち、カーテンがめくれる表現を書き起こす必要があったため、カーテンの物理的動きをしっかりと観察・把握してから制作にあたらなければなりませんでした。そのため数々の資料と睨み合いながら試行錯誤を繰り返しました。
(布のフワッとする感じを再現するため、メンバーの自宅のカーテンが風になびく様子を録画して参考にしたり…納得いくまで数十回描き直した記憶が…)
配布される検査手帳も細部に至るまで熟考して制作しました。

制作物を確認していただいた際、「本企画のねらいをしっかりと理解したデザインをしてくれている」と評して頂けて大変嬉しかったです!
難しい仕事でありながらも、それを見て喜ぶ子供たちを想像しながら制作している時間は、とても有難いものでした。

さいごに

チェスト様から機器の説明などをお聞きしていると、今回のプロジェクトや小児用人工呼吸器のコンセプトなど、チェスト様は自社の製品を使用する人に、どのような体験をしてほしいかに、とても重きを置いておられました。製品を少しでもユーザの日常に溶け込ませ、愛着を抱かすための工夫をできる限りしている姿勢が感じられます。
ただ検査をする、ということだけでも患者の心には不快感を与えることも有り得て、治療のためにも続ける必要があるならば、それを促すためには開発構想段階でUXデザインを織り込んで臨まなければならないのだと改めて考えさせられました。
医療機器を日常的に使用する状況というのは、その時点でネガティブな感覚になりそうですが、だからこそ、そこに関わる人々の体験を少しでも豊かにするためにデザインというのは非常に重要なのだと思えます。

この度は貴重なお仕事と体験の両方をさせていただいたこと、この場にて改めて御礼申し上げます。
弊社一同非常に有意義な時間を過ごすことが叶いました。
是非今後とも、チェスト様と共にお仕事していきたく存じます。

実機のアニメーションや検査手帳は続々と全国に実装・配布されているため、
皆様のお目に入った際は是非とも楽しんでいただきたいです!

ゴキブリポーカー

お昼を早く済ませて、みんなでポーカーゲームをしました。

ゴキブリポーカーとは8種の虫などのイラストが描かれたシンプルなカード

スタッフ私物ポーカーです。楽しいものはすぐ共有しちゃうジャイロメンツ。

ゲームですが、簡単に説明しますと、嘘をついている人を当てゲームですね。

嘘を見抜く能力が試されます。そして騙す。。真面目なスタッフばかりなので、展開がなかなか面白かった。

ゲーム説明中
手札を配布!
手持ちカードで、誰を騙すか考えます。決めた相手に一枚渡して、例えば「これはゴキブリです!」と言い、嘘か本当か当ててもらいます。
騙せなかった分が手元に置かれます。
同じ柄が4枚そろうと負けます。。
今回Nさんが負けました。ゲームに忖度はございません♪

20分くらいなので、お昼でもできちゃう🍙。

最後の駆け引きが熱いですね🔥。スタッフの疑心暗鬼👹がすごい。。

まったりカードゲームいいですよ。

Adobe MAX2021 佐藤可士和セッションを聞いて

https://www.adobe.com/jp/max.html

Adobe MAXで佐藤可士和さんのセッションを聞きました。国立新美術館で開催された「佐藤可士和展」も見に行きましたが、お話をちゃんと聞くのは今回が初めてです。

デザインの世界は、以前は広告・プロダクト・グラフィック・UIなどのデザイン分野の間に壁があり、それぞれのデザイナーは、自分の専門領域以外は別の世界のこと、という意識が強かったと思います。

しかし、UXという考え方が浸透してきたくらいの時期から、その壁が低くなってきたと思います。デザイン分野の壁に限らず、デザイン以外の領域にも及ぶ、柔軟な取り組みの必要性を感じることが増えました。

今回のセッションは、そういった意味でも、共感できる話題が多くありました。

佐藤可士和さんは、「ふじようちえん」の事例では、半年かけて全国の幼稚園をまわり、「幼稚園とはどういうものか」をまず知ることからはじめ、幼稚園の本質とは何かを考えていったといいます。

そこで得た気づきから、「遊具がおいてある=幼稚園」ではなく、建築自体が幼稚園の本質を表すことができるよう、園舎を巨大な遊具に仕立てていく、という構想を立てるに至ったそうです。

対象となるものは異なりますが、このデザインプロセスは、私たちが医療機器のデザインをするときのプロセスに非常に似ていると思いました。

まず現場をとにかく調べること、本質が何かを考えること、依頼主がどうしたいのか、言葉に表現できない部分の要求事項も読み取ること。

依頼主にとってはあたりまえすぎて、気づいていない強みを引き出したり、深い部分の問題点を考えたりするところにも共通点を感じました。

セッション最後の「自分の心が動いていないと人の心は動かせない」という言葉はクリエイターなら誰もが大切にしたい言葉です。

思いを込めて、自分ごととしてデザインしなければ、良いものはできません。

対象が違っても、デザインの基本は同じ。今後さらに従来のデザイン領域はシームレスになり、それに対応できなければ、生き残るのは難しい。そんなことを感じたセッションでした。

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