cable01.jpg紅葉シーズンの箱根は、大変な混雑でした。
強羅駅から箱根登山鉄道のケーブルカーに乗り、中強羅駅で降りたときのこと。

「どちらのドアからでも降りられます」と車内放送があり、私達のグループも、適当に何人かに分かれて左右のドアから降りました。

ケーブルの軋む音とともに、ケーブルカーが早雲山に向かって去って行ったあと、降りたホームに残された人々の目が点になりました。

「え?渡れないの?」

ホームの周囲を見渡すと、周りにはどこにも踏切も、ましてや歩道橋もありません。
降りたホームから、反対側に渡ることができないのです。

「宿はあっちなんだけど」
「一人だけ向こうに降りちゃったけど、どうすればいいの?」

人々がざわつきます。
いったいどうやって、線路の向こう側に渡ればいいのでしょうか。
ホームは結構な高さがあり、線路に降りるのは危険です。
みんなの頭にはてなマークが飛び交います。

cable03.jpg
そのうち、誰かが立て看板を見つけました。

「ケーブルカーは、両側のホームから乗降できます
線路は渡らずに、こちらのホームでお待ちください
向こう側においでの方は
ケーブルカーの到着を待ち、車内をお通りください」

と書いてあります。

「ええ〜!なにそれ!」
「いまどき、こんなのあり?」

次のケーブルカーが来るまで20分。
ひたすら待つしかないようです。

そういえば、旅館の板前さんも、向こう側の街に渡って移動するところらしく、ホームの階段の下で、ふつうに待っています。
地元の人でさえ、こうやって渡るしか方法がないってことですね。
21世紀にして、すばらしくのどかなシステムです。

「急いでいるわけじゃないし、滅多にできない経験だから、まあいいか」

ここまで、悪びれずに看板に書かれていると、怒る気にもなれません。

cable04.jpg
ようやくケーブルカーが到着しました。
相変わらず混んでいる車内の人に
「すみません。渡るだけですので、通してください」
と皆で声をかけます。

車内の人たちにも、はてなマークが飛び交います。

旅先の人々には、おもしろい経験で済むものの、地元の人たちから、なんのクレームもなく、みんなおとなしくがまんしているのでしょうか?
夜になったらどうするんだろう。終電(?)がすぎたら線路を渡るのかな...と、やはり、はてなマークが残ります。

ちなみに、ウィキペディアによると、他の駅にはアンダークロスする通路があるが、この駅には存在しない、と書かれています。
せめて車内に案内を表示するとか、アナウンスすればいいのに、と思うのですが、アナウンスしたところで、間違ったほうに降りてしまったときは、どちらにしても渡れないので、まあいいか、ということになっているのかもしれません。


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