本: 2008年10月アーカイブ

kirigami_4.jpg最近図書館で素敵な本を見つけて以来、夢中になっているものがあります。
中国の切り紙「剪紙」(せんし)です。

中国の伝統工芸の一つで、冠婚葬祭の時に窓に貼ったり、副葬品として棺に入れたり、神の宿る場所=竃などに呪術的な意味合いで貼ったり、飾りや、刺繍の型紙として使用されたりと様々に使用されてきたもののようです。
もともとは中国の農村部の家庭で女性が作るものだったようで、ハサミで紙を八角形や四角形に折って切っていきます。


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やってみるとなかなか難しくて、理想通りのラインにするのに四苦八苦。
向こうでは、簡単な図案なら下書きもなしにサクサク切っていくというのですからすごいものです。
本当は中国でしか売っていない剪紙を作る紙があるようなのですが、手に入らないので折り紙を使用。折り紙だと発色はいいのですが、八角形など沢山折ってから切る形は紙が厚すぎてハサミで切れないので、四つ折りくらいまでの形しかできません。
ハサミは先端を鋭く研いだものを使うようですが、先端が研げるタイプのハサミがないので細かい部分はカッターを使いました。
本来はハサミだけで作るのが剪紙で、小刀を使って作るタイプは刻紙(こくし)と呼ぶようです。他にも手でちぎる撒紙(さんし)というのもあり、調べてみるとこれらを合わせて剪紙と呼ぶ場合も。家庭で作られた剪紙に対して、刻紙は職人が作るものだったようです。


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図案にもいろいろ特徴があって、例えば吉祥を表すコウモリや桃、といったように、図案の持つ意味合いや組み合わせを読み解いたり、同じテーマの図案で人によってどう図案化しているか を見比べてみたりするのも楽しみの一つです。
慣れてくると、だんだんオリジナルの図案を考えて切っていくのが楽しくなります。時期も時期なので、せっかくだからとジャック・オ・ランタンも作ってみました。最早中国の切り紙から離れてただの切り紙遊びになりつつありますが、それもまたよし。


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できあがった剪紙は窓や照明の傘に貼っても奇麗ですし、障子に貼っても良さそうです。透明な塩ビ板などに貼ってコースターにしても目に楽しそう。
想像が広がる切り紙細工です。
本も、図案や切り方の解説だけでなく、手に入らない時の代替の道具やそれを使った幾通りの切る方法を丁寧に解説していますし、図案を見るだけでも楽しいオススメの一冊です。

(上河内美和著『福をよぶ中国の切り紙「剪紙」』誠文堂新光社 )



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