本: 2008年6月アーカイブ


今日はデザイン演習の授業でした。

いつも演習の授業では、「その人にしかできない表現」を何とかして引き出したいと思っていろいろアドバイスします。

対象を徹底的に観察すること、使う人の声をよく聞くこと、自分も使う側の立場にたつこと、これらはデザインをするときの原点ともいえるもので、まず現状をよく知って分析することはとても大切です。
この現状分析は、ある程度訓練を積めば、誰でもできますが、そこから表現に結びつけていく部分がとても難しい。

もちろん、表面的にしか分析できていなければ、対象を深く理解していないので、表現も伴わない場合が多いのですが、仮によく分析できていたとしても、手にした情報を自分のなかで反芻し、形にうまく結びつけられるとは限りません。おそらく、何かきっかけになるようなことが必要なのだと思うのです。いったい人は、どんなきっかけで発想するのだろうか、ということがいつも気になっています。

「佐藤可士和の超整理術」(日本経済新聞出版社)には、現状分析からクリエイティブに至るまでのステップが、本のタイトル通り、秩序立てて書かれていますが、ここでは、情報の整理から表現に転換するときのキーワードとして「視点を持つ」というキーワードが書かれています。
確かに、自分なりの独自のものの見方ができて初めて、唯一無二の提案となる...ということを説明するのに、「視点を持つ」というのは、とてもわかりやすい言い方ですね。

とはいえ、その「視点」は、やはり簡単に手に入れられるものではなく、日ごろから感性を研ぎ澄まし、深く考える訓練をすることがベースになると思います。

授業でも、よい作品に出会うことができるように、試行錯誤の日々は続きます。


2016年2月

  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29          

ジャイロ

App GYRO
And GYRO
GYRO Inc.
Picnino