授業の採点をしています。
学生の作品の説明と、まとめのリフレクションを読みながら、彼ら、彼女らがどんな風に課題に取り組んできたのかを再確認します。
自分が学生のときには、気づかなかったけど、教員側には「ここを理解してほしい」「これに気づいてほしい」「本人にしかできない表現に取り組んでほしい」など、いろいろな思いをこめて授業を組み立てています。
授業のねらいがきちんと伝わった上で、質の高いものを制作できるかは、教える側の責任でもあるので、単に結果の良し悪しだけでなく、総合的に見ていきます。
そんななかで、ひとりの学生が、「気づきの瞬間」についてこんな風に綴っていました。
「...... これにやっと気がついたのが、最終プレゼン前日の夕方で、それが、ノートに散々と思考を巡らしていた日々と、ようやくおさらばできた瞬間でした。『こういうことか!』とニヤニヤが止まりませんでした。この辺のことを語り出すと止まらないので、省略します。」
その学生の最終プレゼンは、自信に満ちていて、表現することが楽しくてたまらない、といった感じのプレゼンでした。気づいてからは、おそらく目を見張るような早さで、制作を進めて仕上げていったのでしょう。内容も一晩で仕上げたとは思えないほど充実していました。
学生の間に、深く考えて、悩んで、試行錯誤を続けて、なんとかして与えられた問題を解決しようと努力することを重ねた人は、とても強くなれると思います。
だから、私は、「いっぱい考えて、いっぱい悩んでね。」と学生達に言います。
悶々と悩み抜いた末に、「これだ!」と思えた瞬間ほど、満ち足りた気持ちになれることはないのではないかと思います。算数の難しい問題が解けた瞬間にも似ているかもしれません。
そして、こういう学生達の姿を見る事が、何より私の喜びでもあります。
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