またまたハロウィンについて。
ふと、ハロウィンやクリスマスの世界観の伝わり方ってすごい、と思いました。
元々の日本文化のなかにはなかったものなので、詳しい背景は知らず、また、誰かから説明を受けたわけでもなく、情報を漠然ととらえているに過ぎない人が圧倒的に多いのに、世界観のイメージが日本人の間にきちんと伝わっています。
世界観...つまり「らしさ」が伝わるポイントはなんでしょう。
まず第一に「色」が考えられます。
基本的に「赤と緑」だとクリスマスっぽい、「オレンジと黒」だとハロウィンっぽい、という色のイメージが、人々の中でできあがっています。赤と緑を使うと、クリスマスっぽくなってしまうので、他のシチュエーションには使えないほどです。
それから、もう一つ、「特定のキャラクターがいない」ということも、世界観の共有に関係がありそうな気がします。
ハロウィンでは、オレンジ色のかぼちゃをくりぬいて顔にするという、インパクトのある演出ながら、特別な決まりがあるわけではなく、目と鼻とぎざぎざの口がついていればなんでも許されます。元々、手作りで毎回家庭でかぼちゃをくりぬいていたものなので、お菓子や玩具、印刷物に使うかぼちゃの顔も、どんなデザインでも構わない。なので、あちこちに色んな顔のかぼちゃキャラが出現します。
クリスマスも然り。サンタももみの木も雪だるまも、自由にデザインできます。
好きなようにアレンジできるし、著作権を気にする必要もありません。それでいて、季節限定のキャラクターの役割を持たせられる、便利なアイテムです。
自由に解釈し、自由にアレンジできるから、誰でもこのイベントを身近に引き寄せられる可能性を持っています。これは世界観を共有するための重要な要素のように思います。
ハロウィンもクリスマスも、ヨーロッパの昔からの文化が、アメリカでアレンジされ、日本に入ってきたものですが、誰かが徹底的にしかけを作ったものではなく、人々が自分なりに広げて行くことができたから浸透したのではないでしょうか。
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