「コンピュータの父」アラン・ケイ博士が開発した、子供のためのオーサリングツールです。
アメリカでは、コンピュータを利用した教育の題材として、何年にもわたる研究が進められているそうです。
日本では、HPが「スーパーサイエンスキッズ」として、Squeakを使ったワークショップを時々行っています。何度か♪と★と共にワークショップに参加していますが、初めてワークショップに参加したときの話。

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参加者は10名ほどの小学校中~高学年の子供たち。何人ものチューターの方々が面倒を見てくれて、初心者でも丁寧に教えてくれました。何と言ってもまず♪★が驚いていたのは、自分が描いた絵が動くということ。Kid PixやKids Paint などのツールはよく使っているので、マウスで絵を描くことには抵抗がないのですが、それが動くということに、まず興奮してしまい、その後の説明が始まっても、殆ど聞いてやしません...。絵を描いては動かすことにすっかりはまっていました。

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続いて車のハンドルと車の関係、更に道路の関係を考慮しながら、スクリプトを組んで、道路を走る車の動きを作って行くのですが、かなり概念が難しいので、普通の小学生がツールを習得するには、少し時間が短いようです。どうにかこうにか見よう見まねで、車と道路を作り終えました。
後半はオリジナルものの制作。今一つ概念が理解できていないので、動きの計画を立てるのが難しく、更に実践しようとしても、そう簡単にはできず、結局チュータの方にほとんど作ってもらったような感じでした。

ワークショップ自体は、子供たちがそれなりに楽しめて、勉強にもなる、すばらしいものですが、Squeakというツールについて、少し思うところがありました。
使いこむにつれ、その奥の深さ、可能性の広さの実感できるツールなのだと思いますが、それにしてはインターフェイスデザインがちょっと貧弱です。画面によってデザインのテイストが変わったり、ツールの表示位置が変ったりするので、それも初心者の子供には混乱を招く原因になっているようです。いかにも、昔作ったものをベースに継ぎ足していっている、技術先行型ツールという印象です。

子供を対象とするものは、大人用のツールよりも更に一層、見た目の印象や操作の一貫性を大切にして、子供が取り組みやすいデザインにすることを心掛けなければならないと思います。昔と比べたら、デザインのクォリティが格段に上がっている今、子供たちの目もかなり肥えているはず。アメリカでもこのまま使っているのだろうか?と不思議に思いました。


MITのパパート博士の研究から始まった、mindstormは商品化されて、すっかり洗練されました。こちらが、立体物やロボットに繋がるリテラシー教育の基本であるなら、Squeakは、グラフィックやアニメーションの世界に繋がるリテラシーの基本になるかもしれません。今後の動向にも注目していきたいものです。

HPスーパーサイエンスキッズ
スクイークランド

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