インターフェイスデザインの特別講義

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年に一度、美大の出身学科でインターフェイスデザインについての特別講義を行うようになって、今年で6回目になります。ふだんは別の学科などで演習授業を担当しているのですが、講義となると話は別。

元々、それほど話をするのが得意でない私にとって、90分間一人で話し続けなければならないというのは、とてもプレッシャーです。
初めての時は、完全な台本のような原稿を書いて、何度も読んで暗記をしました。講義に慣れている先生方に笑われてしまいそうな不器用なやり方ですが、そうしないと不安でたまらなかったのです。

講義には、PowerPointの資料やムービーなどを準備して、PowerPointで説明しながら話をすすめ、時々息抜きにムービーを入れたりします。
最初のうちは、時間配分が難しく、盛りだくさんになりすぎて時間が足りなくなってしまったり、逆に時間が余ってしまったり...ぴったり90分でうまく内容をまとめるのは大変です。
足りなくなるほうは、適当に切り上げれば済むので、まだよいのですが、余ってしまうと最悪です。「質問ありませんか?と」聞いてみても、そういう時に限って誰も手をあげてくれなかったりして...トホホ。

最近は、資料を分割して、それぞれ10分ずつくらいにまとめ、大まかなタイムテーブルを作って、学生の様子を見ながら、順序を入れ替えたり、少し飛ばしたりして臨機応変にすすめる余裕が出てきました。今年は、8つのPowerPointと5つのショートムービーを準備しましたが、時間をみてPowerPoint1つとムービー1つを飛ばし、途中ちょっと眠くなりそうな時間帯に参加型のデモを入れて、ほぼ95分ほどで終了。

時間配分のほかに、もう一つプレッシャーの元になるのが、「講義テンションをつくること」です。
講義というのは、舞台に上がって演じることと少し似ている感じがします。元気でメリハリのある講義にするためには、脳を活性化し、集中力をもつことが必要。そのためにはテンションを上げ、若干興奮状態をつくらないと、授業がこなせない気がするのです。
慣れてくると、原稿をきっちり書いて覚えなくても、話の骨格とキーワードが頭に入っている状態で、「講義テンション」にうまく入れれば、自然に言葉が出てくることがわかってきました。
事前に左脳を使ってきっちり準備して、本番では準備の成果が最大限に出せるように、右脳ですすめていく...そんなイメージでしょうか。

講義後、学生からのアンケートが研究室から送られてきます。
「わかりやすい授業だった」「インターフェイスデザインが身近になった」「コンピュータばかりの世界のものかと思ったら、人との関わりがとても大切だということがわかった」などと書かれていると、ほっと一安心。ドキドキ、ヒヤヒヤ、の準備が報われます。

何年たっても、プレッシャーと戦いつつ、影の苦労に気づかれないようにして「本番」に臨む私なのでした。


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